お部屋やトイレの「臭いの問題」を解決してくれるモノは?と聞かれて「消臭力」が頭に浮かぶ人は多いのではないのでしょうか?
消臭力を製造している会社が、エステー株式会社です。
投資家としては、直近の株価が気になりますよね。
どうなっているのでしょうか?
確認してみましょう。

上場来高値は1988年6月3日につけた7,590円です。
2022年1月9日現在では1,534円となっています。
一体、どこまで下がっていくのでしょうか?
今回は、エステー株式会社の業績と今後の動向などを紹介していきたいと思います。
これらを見ていき、今後、エステーを狙ってみるかどうかをお考えいただけたらと思います。
業績
まずは、直近の決算内容から確認していきます。
2021年10月27日に、2022年3月期第2四半期決算を発表していました。
(※「収益認識に関する会計基準」を2022年3月期第1四半期決算より適用)
売上高 | 23,478百万円 |
営業利益 | 2,584百万円 |
経常利益 | 2,716百万円 |
売上高経常利益率 | 11.6% |
四半期純利益 | 1,845百万円 |
1株あたり純利益 | 83.03円 |
各指標の推移
次に、過去から2021年までの各指標を見ていただきたいと思います。
私が調べることができた2002年から2021年までの情報です。
なお、数字が多いので、グラフにしました。
見てなんとなく感覚を掴んでいただけたらと思います。
また、各指標ごとにコメントを添えているので、参考にしていただけたらと思います。
【売上高の推移】

おおむね400億円以上を維持しつつも、2021年は500万円にタッチするくらいまで伸ばしました。
【経常利益の推移】

2012年3月期決算では、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により国内工場の営業停止や商品供給の減少などの影響により大きく落ち込んだと説明しています。
【当期純利益の推移】

2012年は経常利益同様、東日本大震災の影響で落ち込んでいます。
【売上高経常利益率の推移】

平均5.1%で推移しています。
【1株あたり純利益の推移】

※2012年、2013年はわかりませんでした。わかり次第、グラフに反映します。
2017年から続伸し、2021年3月期は113.78円となりました。
【ROEの推移】

平均5.4%で推移しています。
個人的には、株主資本を活かしているというには少し物足りない数字だと感じました。
【ROAの推移】

平均6.7%で推移しています。
【自己資本比率の推移】

自己資本比率は平均68.5%くらいで安定しています。
【配当金の推移】

※2006年以前は調べてもわからなかったため、2007年からの情報となります。
減配はなく、2015年までは22円を維持しています。
2016年から増配しているのが確認できます。
【利益剰余金の推移】

2011年に大幅な減少が見られますが
これは2010年11月に2,300万株の自己株式の消却を行なっており、9,370百万円を利益剰余金から賄っています。
そのため、2011年の利益剰余金の金額が大幅に減っています。
株主優待
同社の優待は、株式保有数に応じて半年に1回、自社商品がもらえます。
権利確定日 3月/9月
優待内容
(3月のみ) | |
1,000円相当 | 100株以上 |
3,000円相当 | 1,000株以上 |
(9月のみ) | |
3,000円相当 | 1000株以上 |
決算発表から考える今後の動向
エステーは2022年3月期上期の決算を踏まえて、下期の方針を出しています。
それが次の5つです。
1、既存事業収益構造の盤石化
2、成長エンジンへのリソース強化
3、新分野・新市場への参入・育成
4、DXとESG経営で経営基盤の強化
5、組織能力の向上
説明会資料の写真とともに
代表執行役社長:鈴木貴子氏の口頭説明で大事だなと感じた箇所を付け加えて詳しく解説していきます。
1、既存事業収益構造の盤石化

主力品の消臭力は、エリアマーケティングの強化でシェアの拡大を図ります。
この下期は安定した売上を確保するとともに高付加価値品のプレミアムアロマシリーズや新製品消臭力デオックスのラインナップ強化を図ります。
衣類ケア
秋シーズンの立ち上がりの遅れを10月以降に折り返し、来春はかムシューダブランドの強さを活かし、早期店頭実現を図ります。
防虫剤の隣にあるカテゴリーの進出を図ってムシューダダニブランドのプロモーションを強化するとともに防虫剤以外での多面展開を進め、新たなお客さまの獲得を目指しダニ避け市場でのプレゼンス向上を目指します。
また、原価改善にも努めていきます。
2、成長エンジンへのリソース強化

海外進出は特に、アジアに集中します。
タイ プレミアムアロマの販売強化
中国 EC販売推進
手袋依存の業務構造の見直します。
梱包資材を減らすなど環境に配慮しました。
3、新分野・新市場への参入・育成

今季中に自社ブランド製品上梓を計画中です。
ホテル、学校、保育施設など販路拡大を引き続き強化します。
4、DXとESG経営で経営基盤の強化

将来的にはDXによる新規事業を目指します。
5、組織能力の向上

まとめ
今回、記事を書くに際してさまざまな資料を見ましたが、「大企業」「名を知られているから安泰」といって胡座をかいていることは一切なく
むしろ、時代の変化の激しさをしっかりと感じ取って、次々と移り変わる消費者のニーズに寄り添っていこうという姿勢がつぶさに見受けられました。
海外進出も積極的に進めて、また、ネットを活用したマーケティングにも力を入れているところを見る限り、時代の流れに取り残されず、むしろ「先駆者になってやろう!」という気概を感じました。
これからもエステーの動向に注目していき、また決算発表や大きなニュースが出た際には取り上げたいと思います。
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