2022年12月12日、政府・与党はNISAの限度額を2024年に増額する方針を固めました。
一般NISAを年間240万円(現在年間120万円)積立NISAを年間120万円(現在年間40万円)とするとのことです。
それだけではなく、現在は一般NISA5年、積立NISA20年の縛りもなくなり、恒久化となるとのことです。
※この記事は2022年12月20日時点での情報をもとに執筆しております。
今回は、NISA制度のメリットデメリットを解説しつつ、新NISAについての情報を共有できたらと思います。
NISA制度のメリット、デメリットをおさらい!
NISA制度が拡張されて様々な声があります。
そもそも、NISA制度とは何かをおさらいするために、メリットとデメリットを解説します。
NISA制度のメリット
・売却益や配当金にかかる税金が一切かからなくなる
NISA制度最大のメリットは、売却益や配当金に対して税金がかからないことです。
本来であれば、利益のうち20.315%も持って行かれてしまいますが、まるまる自分の懐に入ってきます。
NISA制度のデメリット
・損益通算ができない
本来であれば、1年間の利益(売却益や配当益)から損失(売却損)を差し引いて税金を減らすことができます。
しかし、NISAは利益に税金が一切かからない代わりに、損益通算ができないことになっています。
理由は様々ですが、NISAは長期的な資産形成が目的の制度で、売買損失がないとされるからです。
(一般NISAで購入した株式は5年後に一般口座か特定口座への移動、もしくはロールオーバーをする、いずれか3つのうちから選択します。その際、取得金額がその時の株価に変更されます。そのため、「NISAで持っているうちには損失はないよね」とされるということです。)
【2018年】
〇〇株式会社の株を1,000円で100株、NISA枠を利用して購入。
【2022年12月】
5年経過したので、〇〇株式会社の株式を一般口座への移動を選択。
【2023年1月】
一般口座へ〇〇株式会社の株式が移動。株価が900円だったため、取得価格も900円へ変更されている。

実際には1,000円×100株=10万円で購入したものですが、NISA期間終了と同時に取得価格が900円×100株=9万円へと減少してしまうのです。
・代用有価証券として信用取引に使用できない
一般口座、特定口座の株式は、信用取引に必要な信用余力として利用できますが、NISA口座の株式は信用余力として利用できません。
・税金は取られないが、証券会社への手数料はかかる
NISA制度では「税金」は無料ですが、投資信託で発生する運用管理費用や信託財産留保額はNISA制度を利用していたとしても費用がかかります。
運用管理費用や信託財産留保額は、銘柄によって変化してくるので、確認しておきましょう。
NISA改正案の内容
NISA | 積立NISA | |
投資期間 | 5年→恒久化 | 20年→恒久化 |
年間投資枠 | 120万円→240万円 | 40万円→120万円 |
一般NISAが恒久化すると?
一般NISAは「成長投資枠」という名称に変更することが仮案としてあります。
投資上限額は、年間240万円で、生涯通算1,200万円という案が現状です。
仮に1,200万円の投資商品を保有し、平均配当利回りが4%だとすると
年間配当金額は1,200万円×4%=48万円となります。
毎年、48万円が入るとなると、生活がかなり豊かになりそうですよね。
また、生涯枠は買い付け残高で管理するとのことで途中で売却して枠に余裕ができれば、その分はまた投資することができます。
例えば、3月に配当金を出す銘柄を1,200万円分保有しているとします。
配当権利落後、240万円分の株式を売却したとします。
その後、240万円で新たに、6月に配当金を出す銘柄を買います。
すると、そこからも配当金を入手することができます。
仮に配当利回りが4%だとすると
240万円×4%=9万6千円
1年間で合計48万円+9万6千円=57万6千円の配当金が無税で懐に入ってきます。
なお、2023年までにNISA枠で購入した分は、2028年に以下を選択することになります。
①一般口座、特別口座に移行する(配当金や売却益に税金がかかることになる)
②売却する(非課税)
③ロールオーバーする(2022年12月20日現在、新NISA枠にロールオーバーできるかは不明です。判り次第、記事を更新します。)
積立NISAが恒久化すると?
最大で1,800万円まで積み立てることができるようになりました。
現状では20年間、最大800万円までですが、その2.25倍まで積み立てることができるようになります。
また、現在積立NISAで積み立てているものは、新NISAの枠に影響を与えません。
2024年からの新NISA制度は最大1,800万円の枠がありますが、新旧別になります。
例えば2022年、2023年にそれぞれ40万円積み立てている方は、2022年分は2042年、2023年分は2043年に期限を迎えます。
2024年に積み立てる分から、期限が恒久的なものとなります。
期限を迎えた場合にとれる選択肢は次の2つです。
①一般口座や特定口座に移動して運用を続ける。(今後は分配金や売却益に課税される)
②売却する。(非課税)

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