PRTIMESが2023年第3四半期決算を発表しました。
売上高は前年同期比で19.5%増加の43億1,300万円と好調だったものの、営業利益は前年同期比27.8%減少の10億9,800万円という結果になりました。
決算の翌日にはストップ安まで売られるなど、市場は決算に失望したとの見方が強い内容となりました。
今回は、2023年第3四半期決算の内容を踏まえ、ストップ安まで売られた理由を解説していきたいと思います。
2023年第3四半期の業績を確認
まずは業績を確認してみましょう。
2023年第3四半期と2022年第3四半期の業績を比較すると、今回の業績がわかりやすいかと思います。
2023年3Q | 2022年2Q | |
売上高(単位:百万円) | 4,313 | 3,608 |
営業利益(単位:百万円) | 1,098 | 1,520 |
経常利益(単位:百万円) | 1,097 | 1,518 |
四半期純利益(単位:百万円) | 712 | 1,044 |
売上高営業利益率(単位:%) | 25.45 | 42.12 |
売上高経常利益率(単位:%) | 25.43 | 42.68 |
売上高は前年同期比19.5%増と順調に見えます。
しかし、営業利益、経常利益、四半期利益はそれぞれ-27.8%、-27.8%、-31.7%と悪化しています。
また、売上高営業利益率、売上高経常利益率を確認すると、2023年第3四半期は利益率が減少していることが確認できます。
営業利益が大きく減少した理由として、広告宣伝費が2018年から2022年までの四半期で過去最大となったことが挙げられます。
また、今回は投資有価証券評価損を約4,900万円計上しており、これによって四半期利益も悪化しています。
投資有価証券評価損とは?
例えば、A社の株を1,000円で取得。
2023年第3四半期決算時には株価が800円まで下がっていた。
値下がりしている200円分、つまり評価損を「投資有価証券評価損」として計上。
事業拡大の大幅な投資が原因で営業利益が減少している。

2023年第3四半期決算を踏まえて、PRTIMESの今後はどうなる?
2025年の中期経営計画の進捗率が順調
まず、2021年4月13日にPRTIMESが公表した中期経営計画の16ページ目に『Milestone 2025 PR TIMES国内における主な目標』という項目があります。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3922/ir_material_for_fiscal_ym/98642/00.pdf2025年通期目標と今回の決算とを比較し、進捗率を算出してみました。
【2025年度 通期目標】 | 【2023年第3四半期現在】 | |
①日本国内利用企業社数 | 150,000社 | 76,499社(進捗率:50.9%) |
②国内上場企業の利用 | 利用率 70% IPO時80% (内、グロース95%) | 52.2%(2,060社/3,944社) |
③地方地域の業務提携 | 47都道府県 | 42都道府県(進捗率:89.3%) |
④サイト閲覧数 | 1億1,000万PV/月 | 6,694万 PV/月(進捗率:60.8%) |
①〜④どの項目も、進捗率は50%を超えており、残り2023年、2024年、2025年の3年間で中期経営計画を達成することは難しくはないのかなと個人的には考えています。
2023年第3四半期では広告宣伝費が過去最大となりましたが、ここから考えてもそれぞれの目標を達成することが可能だと考えています。
また、『2021年度 第2四半期決算説明資料』において、「2025年まで無配継続、事業成長と利益向上そして資本効率改善により中期的な株主総利回りを指標とした株主還元 」と34ページに記載されています。

このことから、「無配でも我慢して株式を保有してるのに減益とは何事だ!」という怒りと失望により、ストップ安になるまで売られたのかもしれませんね。
グロース株は業績が命
PRTIMESはグロース銘柄で、毎年成長することを期待されて買われている側面があります。
減益は株価に大きな影響を与えることは、今回のストップ安でもおわかりいただけていると思います。
逆に、今後も伸びると思われたら買われる側面もあるので、業界に精通している人にとっては株価を予想しやすいのかもしれませんね。
したがって、2023年第3四半期の減益で株価が下がってしまったのは仕方のないことです。
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