【飲料メーカー時価総額首位】株価ヨコヨコのアサヒグループホールディングスは今後どうなるか予想してみた【株式投資】

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新型コロナウイルスも共存のフェーズに移行しつつあります。

緊急事態宣言の解除、Go To トラベル再開など国家主導で共存の流れへと向かっています。

さて、居酒屋が通常営業になったり、イベント再開したりすると、飲料銘柄に注目が集まりますね。

既に、ビール大手のサッポロホールディングス【2501】やキリンホールディングス【2503】は上昇トレンドに入っています。

サッポロホールディングス【2501】

キリンホールディングス【2503】

ビール大手の会社はもう1社あります。

そう、「アサヒスーパードライ」でお馴染みの会社である、アサヒグループホールディングス(以下、アサヒ)ですよね。

アサヒはビールだけでなく、カルピスや三ツ矢サイダー、ウィルキンソン、ニッカウヰスキーなど有名商品を多く抱えています。

そんなアサヒの株価は以下の通りです。

アサヒグループホールディングス【2502】

横ばいで、4,400円台での売買が盛んですね。

このアサヒの株価はどうなるのか?

アサヒの業績推移とともに、今後の株価の流れを予想してみました。

最後までお読みいただけたら嬉しいです。

業績推移

まずはアサヒの業績から見ていきましょう。

1995〜2015年

売上高と経常利益推移

2016〜2021年

売上収益と税引前利益推移

※2016年から会計基準変更に伴い、別グラフで表記しています。

くっつけると以下のグラフになります

2020年は新型コロナウイルス蔓延から、緊急事態宣言発令により飲食店の長期閉店、イベント中止による飲料提供停止などで経常利益が落ち込んだものの、リモート飲み会や宅飲み需要などがあり赤字にはなりませんでした。

2021年12月期セグメント別売上収益(単位:百万円)

酒類722,126
飲料357,809
食品125,898
国際1,017,586
その他105,990
調整額-93,334
合計2,236,076

2021年度地域別(単位:百万円)

日本1,203,594
海外1,032,481
(うち、オーストラリア) 457,287
合計2,236,076

2022年5月最新の販売動向

前年5月比
ビール類計127%
アサヒ飲料計103%
アサヒグループ食品計104%

  【特徴】

・ビール類の売上金額が前年比127%と、8ヵ月連続で前年を超えた

・居酒屋やイベントなどで提供する業務用の売上が回復

・「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」「アサヒ生ビール黒生」の販売などが寄与

・フルリニューアルした「アサヒスーパードライ」の販売数量は、前年比146%と好調、缶容器の前年比が111%となり、瓶・樽容器の 前年比が319%と好調

・アルコールテイスト飲料(微アルコール含む)の売上金額は、前年比103%

“微アルコール”の「ビアリー」や「ハイボリー」「ビスパ」が寄与し、15カ月連続で前年を上回った。

アサヒを保有するメリット

複数の機関から「倒産する可能性が低い」と判断されている

投資していた会社が倒産してしまったらどうしよう…

投資をする際に気になることの1つですよね。

その不安を払拭する材料の1つに、その会社の格付を確認するという方法があります。

アサヒは複数の機関から「倒産しにくい」と判断されています。

アサヒを格付している機関と評価は次の通りです。

格付投資情報センター(R&I)  A+

日本格付研究所(JCR)  AA-

ムーディーズ Baa1

以上の機関から「投資適格」の判断をされています。

※BBB以上、Baa以上が投資適格

格付基準の詳しい情報は以下をご覧ください。

格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)

S&P グローバル・レーティング - Wikipedia
グローバル・レーティング

また、アサヒの社債は、多くのSRI(社会的責任投資)インデックスへ組み入れられています。

・FTSE4Good Global Index

英国フィナンシャルタイムズ社とロンドン証券取引所が設立したFTSE社が開発した株価指標

・Ethibel Excellence Investment Register

ベルギーに拠点を置く非営利組織であるフォーラム・エティベルが運営

・ECPI

ECPI社はルクセンブルクとミラノに拠点を置く、投資運用助言会社(持続可能性投資を専門とした投資運用助言会社)

・モーニングスター社会的責任投資株価指数

モーニングスター(株)と特定非営利活動法人パブリックリソースセンターが共同で開発した日本企業を対象とした社会的責任投資(SRI)株価指数

・MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

MSCIジャパンIMIトップ700指数を親指数とし、ESG評価に優れた企業を選別して構築される指数

・FTSE Blossom Japan Index

ローバルなインデックスプロバイダーであるFTSE Russellが作成し、環境、社会、ガバナンス(ESG)について優れた対応を行っている日本企業のパフォーマンスを測定するために設計されたもの

・MSCI日本株女性活躍指数 (WIN)

MSCIジャパンIMIトップ500指数を親指数とし、職場における高い性別多様性を推奨・維持することにコミットし、また財務的クォリティも高い企業のパフォーマンスを表すもの

他の有価証券を保有している

アサヒの株式を持つ事によって、間接的に他の銘柄の恩恵を受けることができます。

アサヒが保有する有価証券は以下の通りです。

アサヒビール株式会社が保有する有価証券一覧(2021年有価証券報告書)

王将フードサービス【9936】
第一興商【7458】
帝国ホテル【9708】
すかいらーくHD【3197】
セブン&アイHD【3382】
ロイヤルホテル【9713】
チムニー【3178】
ワタミ【7522】
大庄【9979】
東海旅客鉄道【9022】
ゼンショーHD【7550】
伊藤忠食品【2692】
木曽路【8160】
サガミHD【9900】
ライフコーポレーション【8194】
三菱食品【7451】
リンガーハット【8200】
くら寿司【2695】
安楽亭【7562】
イオンフィナンシャルサービス【8570】
日本空港ビルディング【9706】
幸楽苑HD【7554】
ヴィアHD【7918】
九州旅客鉄道【9142】
東武鉄道【9001】
藤田観光【9722】
JFLA HD【3069】
グルメ杵屋【9850】
東日本旅客鉄道【9020】
DD HD【3073】
カクヤスグループ【7686】
西日本旅客鉄道【9021】
近鉄グループHD【9041】
東京會舘【9701】
マルシェ【7524】
SRS HD【8163】
ヨシックスHD【3221】
ANA HD【9202】
京阪 HD【9045】
吉野家 HD【9861】
ワシントンホテル【4691】
SANKO MARKETING FOODS【2762】
極楽湯 HD【2340】
近鉄百貨店【9041】
ユナイテッド&コレクティブ【3557】
力の源 HD【3561】
三井不動産【8801】
ワイズテーブルコーポレーション【2798】
西武 HD【9024】
カメイ【8037】
旭化成【3407】
阪急阪神 HD【9042】
三井住友トラスト HD【8309】
みずほフィナンシャルグループ【8411】
住友不動産【8830】
三菱UFJフィナンシャルグループ【8306】
三井住友フィナンシャルグループ【8316】
東芝【6502】
三井住友トラストHD【8316】
日本ロジテム【9060】
ダイキン工業【6367】
ソフトバンクグループ【9984】
ソニーグループ【6758】

安定して配当金を出すことを目標としている

アサヒが定めている配当性向は35%です。

配当性向とは?

(1株あたり配当額÷1株あたり利益)×100

の式で求められる。

この数字が100%を超えると、その年の利益以上に配当金を出していることになる。

なお、中期経営計画にて、将来的に配当性向40%を目指すと公表。

安定的な株主還元を目標としていますね。

しっかりと目標の数字を公表しています。

過去5年間の配当金額と配当性向

配当金額配当性向
2018年99円30.1%
2019年100円32.2%
2020年106円53.9%
2021年109円36.0%
2022年(予想)111円38.4%

アサヒ保有で気をつけたいこと

2020年10月に増資をしている

アサヒは社債で定期的に資金調達しています。

社債・格付情報 | 株式・債券情報 | IR・投資家情報 | アサヒグループホールディングス
株主・投資家の皆様へ。社債・格付情報には、社債・格付情報を掲載しています

そんなアサヒが、2020年10月に増資をしていたのです。

理由としては以下の通りです。

今回の第三者割当増資による手取概算額 8,141,935,808 円については、当該第三者割当増資と同日付の取締役会決議で決定された国内一般募集及び海外募集の手取概算額147,879,260,992 円と合わせ、手取概算額合計 156,021,196,800 円について、全額を2020年10 月末までにCUB 事業の取得に伴い金融機関から借り入れたブリッジローン1兆1,850億円の返済資金の一部に充当する予定であります。

詳細につきましては、2020年8月 25日に公表いたしました「「公募による新株式発行及び自己株式の処分並びに当社株式の売出し」及び「豪州CUB事業買収に係るファイナンスプラン」に関するお知らせ」をご参照下さい。

https://www.asahigroup-holdings.com/ir/20pdf/201009_1.pdf

増資をすると、一般的には既存株主の利益が薄くなると言われています。

増配してますし、配当性向も35%前後で推移してるので、そこまで心配することではないと思います

優待目的での保有は注意!

昨今は株主平等の観点から、株主優待の廃止を決定している会社が出てきています。

  1. 株主優待は外国に送られない不平等
  2. 1単元と複数単元、どちらでも同じ優待という不平等

高配当株筆頭の日本たばこ産業(JT)【2914】やオリックス【8591】、ABCマート【2670】などです。

好業績なのに株主優待廃止を廃止している会社の特徴として「外国人株主比率が高い」という部分があります。

アサヒの外国人保有率は34.6%(2022年6月17日四季報調べ)となっています。

外国人が3割強保有しており、今後、株主平等の観点から優待廃止の可能性もあります。

優待目的でアサヒ株を保有するのは、控えた方がいいと個人的には考えています。

過去5年間は自社株買いをしていない

キャピタルゲイン(値上がり益)を狙う人が気になることの1つに

「自社株買いをしてるか?」

ということがあります。

調べてみたところ、アサヒは過去5年間に自社株買いをしていません。

「今後は配当性向を35%から将来的には40%を目指す」と公表してるので、どちらかというと配当金増額に力を入れたいのかもしれませんね。

アサヒの株価は今後どうなるか?【アサヒにとっては追い風相場】

まず私個人の意見をお伝えすると

アサヒの株価は上昇すると考えています。

以下、その判断材料を挙げたいと思います。

アサヒは日経採用銘柄

まず、アサヒは日経平均に採用されています。

そのため、日経平均が大幅に下落して場合には、アサヒ自体に悪材料がなくても、大きく下落する可能性があります。

アサヒ、キリン、サッポロ3社の業績ではアサヒが優れている

新型コロナウイルスも共存のフェーズになってきた昨今、居酒屋やイベントでの飲料提供が徐々に再開し始めてきました。

需要回復を受けて、キリンHDやサッポロHDの株価は上昇トレンドに入りました。

一方、ビール販売数で首位を走るアサヒの株価は、低迷していますね。

なぜ、アサヒだけ低迷してるのでしょうか?

3社の業績を見てみましょう。

売上の伸び、総資産額の伸び方もアサヒが綺麗な右肩上がりで他の2社よりも優れているように思えます。

欧州、オセアニア、東南アジアなどもコロナとの共存フェーズに入れば、需要は回復していき、売上増加も考えられますね。

野村證券、みずほ証券で目標株価の食い違い

株価が動く要因の1つに、証券会社や銀行がレーティング情報を発表します。

これは、発表した機関が

「〇〇という会社は〇〇という評価で、目標株価を前回の〇〇円から〇〇円に変更するよ」

といったものです。

直近1ヶ月以内で、野村證券とみずほ証券が、アサヒの目標株価を発表しました。

【野村證券】5月31日発表

「buy」→「buy」

5100円→5000円

【みずほ証券】6月13日発表

「買い」→「買い」

5600円→5900円

値段は違えど、両方の証券会社とも

「アサヒは買い!」

という判断をしています。

レーティング情報で株価が動くので、発表があったら注意しましょう!

円安はまだまだ継続

アサヒは海外にも輸出してますので、為替の影響を受けます。

円が乱高下、一時134円台に急落 日銀が大規模緩和維持 - 日本経済新聞
17日の東京外国為替市場で対ドルの円相場が急落し、一時1ドル=134円台後半を付けた。日銀が16~17日に開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和を維持すると決定、金融引き締めを見込んでいた一部の市場参加者が円売りに動いた。日銀の発表前は133円台半ばで推移しており、短期間で1円ほど円安・ドル高が進んだ。

アサヒが影響を受ける通貨

・ユーロ

・豪ドル

売上は日本円に換算されるので、円安が続けば決算に良い影響を与えてくれます。

金融緩和はまだ継続とのことなので、8月頃に公表される2022年12月期2Q決算は期待したいところですね。

ただ

「円安のサポートがあったから増益だった。円高だったら悪決算だった」

という解釈ができる内容だったら、株価が下がってしまうかもしれません。

なぜなら、世界は金融引き締めのフェーズに入ってる中、日本は世界と逆行しているからです。

日本も近い将来、金融引き締めをしなければなりません。

そうなれば為替差も改善されることでしょう。

「円安頼みの好決算」

とならないことを個人的には祈ってます。

円安はデメリットでもある

円安は輸入面でデメリットとなります。

製造するための原材料高騰&円安で輸入の際にコストが二重に高くなっているという点も知っておかないといけませんね。

まとめ

今回はアサヒの株価は今後どうなるか?ということを、様々な視点から予想してみました。

コロナも乗り越え、円安がしばらく続くこの流れの中、アサヒの株価は上昇すると予想しています。

ただ、日経平均採用銘柄ですので、コロナショックのように市場全体が大きく下げた場合には、つられて下げてしまうことも想定しておかないといけませんね。

アサヒにとってはしばらく追い風が吹いているように思えます。

ぜひ、ご自身でもアサヒを調べてみて、ご検討してみてはいかがでしょうか?

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