2000年に入り、3,000円前後で推移を続けていたエムティジェネックス【9820】という銘柄。
しかし、2018年7月後半くらいから突如上昇を始めて、9月には45,950円の高値をつけました。
3,000円前後で推移していた銘柄が2ヶ月ほどで15倍もの株価になるなんてすごいですよね。

何かすごい情報でもあったの?

実は、「トンピン」と名乗る者がSNSを活用し、株価が15倍にもなりました。

夢のテンバガー銘柄ってことだね!

たしかにテンバガーではあるけれど、「仕手株」と言って意図的に株価が吊り上げられた銘柄なんです。
その証拠に、45,950円という高値をつけてから1ヶ月ですぐに8,920円まで急落しました。

うわぁ…仕手株って怖いんだね

エムティジェネックスは森トラストの子会社でもあって、非常に優秀な企業であるがだけに、仕手筋に目をつけられて残念です。
元々保有していた人も、だいぶ振り回されたことでしょう。

ようやく市場がエムティジェネックスの良さに気づいた!と思ったら意図的に株価を吊り上げられたなんてね…
ところで、エムティジェネックスっていい会社なの?

エムティジェネックスは安定感のあるいい会社です。
今回はエムティジェネックスの財務や業績推移、今後を考えるための材料を3つご紹介します。

仕手株となってしまったエムティジェネックスの中身を知っていただけたら
「仕手筋に目をつけられてもったいない!」と思う方もいるかもしれません。
ぜひ、最後までお読みいただけたら嬉しいです。
事業内容
そもそもエムティジェネックスとはとはどういう事業を行っているの?という疑問から解消していきます。
主な事業内容
- リニューアル
- 駐車場
- 施設等保守管理
リニューアル
施設のLED化による省エネ工事や原状回復工事、建物リニューアル、修繕工事、内装工事など施設に関する工事を行なっています。
駐車場
駐車場を一括借上げしてエムティジェネックスが運営したりする駐車場運営委託業務を行っています。
施設等保守管理
防火管理者が行うような消防計画作成や各種点検、消防署への書類提出などのお手伝いをする業務です。
財務状況
2022/09/05最新の情報
2023年1Q
現金及び預金(単位:百万円) | 1,620 |
流動資産(単位:百万円) | 4,081 |
利益剰余金(単位:百万円) | 2,434 |
流動負債(単位:百万円) | 572 |
固定負債(単位:百万円) | 440 |
現金預金の金額は、1年以内に返済しなければならないとされる流動負債の2.8倍近くあります。
また、返済が1年以上先とされる固定負債と流動負債の合計は1,012百万円ですが、現金預金で全て完済できます。(財務諸表上では)
業績推移
【売上高】

【経常利益】

【親会社に帰属する当期純利益】

【純資産額】

【総資産額】

【自己資本比率】

今後を考えるための材料3選
財務状況や業績、自己資本比率のどれをとっても安定しているが…
先ほど財務状況や業績、自己資本比率を見ていただきましたが、どれをとっても安定しています。
しかし、配当金据え置き、自社株買いなし、優待なし、と株主還元には弱い銘柄でもあります。
2013年から配当金は40円
自社株買いは、2017年に株式併合による端数を回収するもののみ
優待もありません。
純資産額は積み上がっているので、今後に注目したいところです。
トンピン氏復活で再度、株価が荒れている
エムティジェネックスの株価を約15倍までに吊り上げたトンピン氏こと山田亨氏、実は金融商法取引法違反により逮捕されていました。

2022年6月22日、山田亨氏が本格的に活動するかのようなツイートがされると同時にエムティジェネックスの株価は上昇し、6月27にはストップ高をつけ、翌日28日は高値から大きく下落し長い陰線をつけました。
かなり株価が動き、大きく稼いだ人、大きく失った人の両者がいたことが容易に想像つきます。
個人的な感想ですが、仕手株色が強い銘柄になってしまったなと感じました。
時価総額が小さく、浮動株が少ないため株価が大きく動く
2022/09/05現在、時価総額は23.9億円とかなり小さく、浮動株は約100万株とかなり少ないです。
そのため、材料が出たりすると乱高下します。
また、先に挙げた仕手筋に目をつけられるとすぐに株価が乱高下します。
したがって、オモチャにされやすく、ファンダメンタルが無意味となります。
まとめ
今回はエムティジェネックスの業績推移や材料などを解説しました。
いくら自分が自信を持って「この会社なら長期的に伸びるから定期的に買おう!」と思っても、仕手筋に目をつけられるとメチャクチャにされるなと改めて勉強になりました。
個別株の動向は定期的に確認して、適宜今後の方針を考えた方が良いのではないでしょうか。
それか、今回の山田氏の事例のように、インフルエンサーの投稿に追随して利鞘を抜く「イナゴ戦法」も、それはそれでアリだと思います。
エムティジェネックス以外にも仕手株は存在します。
自分が気に入っている銘柄を溺愛して周囲の環境を無視することなく、しっかりと情報収集しておきたいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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